ガーデン王国6「国王の影」
この物語は、ガーデン王国と呼ばれるバーチャル(仮想世界)で起きたフィクション(作り話)を書いている。ガーデン王国には、色々な国王や姫の他に、レオル・ファティルと呼ばれる白い妖精やジョイル・ビルと呼ばれる黒い妖精などもいた。
ガーデン王国の人々や国王が、アマリアの誕生と降臨を祝う9月15日が、今年もやってきた。アマリアを祝う日は、毎年訪れ、何年も何十年も続くはずであった。しかし、それは長く続かなかった。。。。
国王は、アマリア、レオル・ファティル、ジョイル・ビル、ガーデン王国の姫や人々を、本当に心から愛していた。しかし、未熟で多くの影も抱えていた。国王の未熟と影は、愛するアマリアや姫などに接していく内に、なくなっていき、愛おしさを生み出していった。
国王は、あたたかい太陽の下、アマリアや姫などに囲まれ幸せに暮らし始めた。しかし、どうしても克服できない影があった。その影は、徐々に大きくなっていった。国王は、大きくなっていく影と愛おしさの間で、もがき続けた。
ある日、アマリアや姫たちは、別の王国へ出かけることになった。国王は、アマリアたちを、ガーデン王国の境界にある城門まで見送った。その後しばらくすると、国王は、突然その城門を閉ざし鍵をかけたのであった。
アマリアと姫たちが戻ってくると、ガーデン王国に入る城門は全て閉ざされていた。アマリアたちも国王の影が大きくなっていることには、気づいていた。そして、苦しんでいた。アマリアたちは、国王に閉め出されたことで、むしろその苦しみから解放され、新しい運命を切り開いていくきっかけをつかんだのかもしれない。
今では、アマリアたちはガーデン王国のことも忘れ、元気に新しい人生を歩んでいることであろう。アマリアたちにとっては、その方が良かったのかもしれない。一方、国王は、アマリアたちを閉め出したことを悔いながらも、自らの未熟と影と向かい合い、ガーデン王国の中で1人で暮らしていった。そして、人を愛するということは、簡単なことでなく、年齢を重ねると共に、出来なくなっていくことに気付いていった。1人で生きていく道を模索することになった。。。。
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