ガーデン王国7「ある丘の栗」

 この物語は、ガーデン王国と呼ばれるバーチャル(仮想世界)で起きたフィクション(作り話)を書いている。ガーデン王国には、色々な国王や姫の他に、レオル・ファティルと呼ばれる白い妖精やジョイル・ビルと呼ばれる黒い妖精などもいた。


 ガーデン王国の人々や国王が、アマリアの誕生と降臨を祝う9月15日が、今年もやってきた。アマリアを祝う日は、毎年訪れ、何年も何十年も続くはずであった。しかし、それは長く続かなかった。。。。


 かつて、祝祭の日を迎える頃、国王とアマリアたちは、ある山国を通り王国に向かっていた。その国の中心部は、平らな地形でありながら、北へ流れて海へ注ぐ川と南へ流れて海へ注ぐ川が交わる不思議な所であった。それゆえ、昔から、北の海からやって来た人や物と、南の海からやって来た人や物が、交わる豊かな山国であった。


 アマリアたちは、遅めの昼食をすませ、その山国のとある丘にさしかかった時、坂道に沢山のクリが転がっているのを発見した。今となっては思い出せないが、馬車を道の脇にとめ、国王とアマリアは、栗を拾い始めた。あっという間に、大きな栗で袋がいっぱいになった。山の中ではなく、街の中で拾う不思議な栗拾いだった。


 ガーデン王国に着くと、その栗は、アマリアが自分の王宮へ全て持ち帰り、お付きの人やレオル・ファティたちと湯がいて美味しく食べたそうだ。お付きの人達は、まるで献上品のような立派な栗が、街の道端に転がっていた事を不思議がっていたそうだ。。。。


 栗を見つけた時には、何も考えずに楽しく拾っていたが、よくよく考えると、栗はその山国の特産品であった。国王は、またいつかアマリアたちと一緒に、その丘へ栗を拾いに出かけたいと思った。しかし、前回述べたように、国王は、それをする前にアマリアたちを閉め出してしまった。。。。


 それ以来、国王は、その山国へ近づこうとしなかった。近づくことが出来なかった。アマリアたちは、どこかで新しい家族と楽しく栗を拾ってるだろうか。。。。久しぶりに、あの丘の栗を一人で拾いに行ってみようかな~いや、ファントムと一緒に。。。。

関西の歴史散歩

①NHKの「ブラタモリ」の様に、奈良・京都・大阪・神戸にある国宝・古墳・神社・寺院・仏像・伝統行事・『万葉集』で詠まれた場所などを案内します。 ②歴史に関するブログ・動画・ゲームやお勧めのサイト・情報などを紹介します。

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