『1200年前の京都新聞』6
1200年前の7月27日、旧暦の太陰暦では弘仁8(817)7月5日である。この日に起きた出来事を紹介してみたい。
陸奥国(現在の宮城・岩手・青森県)から、吉弥侯部等波醜(きみこべのとはしこ)と呼ばれる蝦夷(えみし)の人達が、天皇や朝廷に服属してきたことが報告されてきた。蝦夷とは、東北地方に住んでいた原住民のことである。
吉弥侯部等波醜という人物名は、吉弥侯部が姓、等波醜が名にあたる。この人物は、いったん天皇や朝廷に服属したが、離反したようである。しかし、小野朝臣岑守(おののあそんみねもり)という人物は、2年半前に陸奥国の長官に赴任してから、この原住民と交流を重ねて手なずけ、再び天皇や朝廷に服属させたのである。
0コメント